温泉について

   温泉は、含まれる化学成分の種類と量により、いくつかのグループ に分類されています。温泉のうち、特に治療の目的に供し得るものを「療 養泉Jといい、次のように分類されています。
   栃木県には、二酸化炭素泉含銅一鉄泉含アルミニウム泉放射能 泉を除く全ての泉質の温泉があります。 種類としては、

          1.単純温泉; 2塩類泉; 3 特殊成分を含む療養泉 と大きく分かれています。 

 


A単純温泉

   ★ 1.単純温泉では、鬼怒川温泉; 湯西川温泉; 板室温泉; 大丸温泉 等があります・・・

       規定では、泉温が25°C以上で、温泉水内の溶存物質量(ガス性のものを除く。) が1kgl,000mg未満のものをいいます。そのうち、pH8.5以上のもの を、「アルカリ性単純温泉とよばれています。

   含有成分が薄く、体に対して刺激が少ないため、利用範囲の広い温 泉です。 栃木県で最も数の多い泉質です。


   B塩類泉

★ 塩類泉では、塩原温泉喜連川温泉 新那須温泉が含まれます・・・

 

       規定では 温泉1kg中の溶存物質がl000mg以上のものをいいます。(ガス性の ものは除く。) 陰イオンの主成分により、次のように分類されています。

 b-1塩化物泉・・・陰イオンの主成分が、塩素イオンである温泉です。 入浴により、皮膚に塩分が付着して発汗を抑えるため、保温効 果があります。そのため、『熱の湯』『あたたまりの湯』とも呼ば れます。 栃木県では、単純温泉に次いで数の多い泉質です。 ^県内の代表的な温泉地>

炭酸水素塩泉・・・塩原古町の温泉

b-2炭酸水素塩泉・・・・陰イオンの主成分が、炭酸水素イオンである温泉です。 入浴により、皮膚の脂肪や分泌物を清浄化し、肌を滑らかにす る効果があります。 そのため、『美人の湯』『美肌の湯』とも呼 ばれます。

 

県内の代表的な温泉:古町温泉など

b-3   硫酸塩泉 ・・・・板室温泉大網温泉

陰イオンの主成分が、硫酸イオンである温泉 です。切り傷火傷に効果があるともいわれ、 『傷の湯』と呼ばれることがあります。


 

特殊成分を含む療養泉.

1kg中の溶存物質がl000mg以上の温泉のうち、特に治療の目的 に供し得るものをいいます。

 

C-1二酸化炭素泉   (栃木県なし)

温泉水1kg中に遊離炭酸をl,000mg以上含む温泉です。 炭酸ガスが溶けて細かい泡が出るため、入浴すると体に細かい 泡が付着します。

C-2含鉄泉   寺山鉱泉

温泉水1kg中に総鉄イオンを20mg以上含む温泉です。 湧出直後は無色透明ですが、空気に触れると酸化し、茶褐色ド 変色します。

 

C-3含銅一鉄泉    (栃木県なし)

温泉水1kg中に銅を1mg以上含む温泉です。 湧出直後は半透明緑色ですが、空気に触れると酸化して不透明 な黄色に変色し、茶褐色の沈殿物ができます。

 

C-4硫黄泉    曰光湯元温泉、奥鬼怒温泉、那須温泉郷の一部 元湯温泉新湯温泉など

温泉水1kg中に総硫黄を2mg以上含む温泉です。そのうち、硫 黄が遊離硫化水素の型で含まれるもの(=硫化水素泉)と含ま れないもの(=硫黄泉)に 分けられます。卵の腐った ような硫化水素ガスの臭い が特徴で、酸化すると黄白 色の沈殿物を生じ、これは 「湯の花jと呼ばれています。

 

 

 

C-5酸性泉    栃木温泉、赤滝温泉、御宝前温泉など

温枭水1kg中に多量の水素イオンを含む温泉です。 殺菌力があり、刺激が大変強いため、高齢者や皮膚の弱い人に は向きません。また、長湯をすると湯ただれを起こすこともあ ります。

 

 

C-6含アルミニウム泉 (栃木県なし)

    温泉水1kg中の含有成分がlOOmg以上で、陰イオンの主成分が 硫酸イオン陽イオンの主成分がアルミニウムである温泉です 酸性泉と並んで殺菌力が強い温泉です。

C-7放射線泉 (栃木県なし)

    温泉水I kg中にラドンを100億分の30キュリ一以上含む温泉 です。人体に悪影響を与えると思われがちな放射能も、微量で あればむしろ良い影響を与えることが実証されています。


その他

温泉に含まれるいろいろな化学成分が、入浴や飲用によって体に入 ることで、さまざまな生体反応を起こします。

温泉の成分のみによってその効能を確定することは困難ですが、 泉質によって次のような禁忌症適応症が定められています。

X禁忌症とは

温泉の効果は、その成分の違いによって千差万別であり、効果が あるものでも利用の方法が正しくないと、有害になる場合もありま す。温泉療養をしてはいけない症状を「禁忌症」といいます。

適応症とは

温泉療養に適した症状を「適応症」といいます。

浴用の一般的な禁忌症適応症

これは、どのような泉質の温泉にもあてはまる症状です。

 

 

X禁忌症              

急性疾患(特に熱のある場合) 活動性の結核悪性腫瘍 重い心臓病 呼吸不全腎不全 出血性疾患 高度の貧血 その他一般に病勢進行中の疾患

妊娠中

〇適応症

(とくに初期と末期) 神経痛筋肉痛 関節痛五十肩

運動麻痺 関節のこわばり うちみ•<じき 慢性消化器病 痔疾冷え症 病後回復期 疲労回復 健康増進


                                 以上、栃木の温泉ガイドブックより参照しました。